地獄への扉
前置きは説明的になりがちで自分にとってはどうでもよい事なので省略する。
今から数秒前によぎった事だが、もしかしたら世間に受け入れやすくて
かつ誰にでも取得出来そうもない知性というやつは、
人類を幸福に導いているようで実際はドラッグのように
瞬間的な快楽を得ながら地獄へ続いている連なりなのではないだろうか。
それに品性、芸術性、優越感が伴っていると更に厄介になり、
彩りとして目に見えない権威として存在し続ける。
地獄というのは常に誘惑と共にあり、気付いたところでその時点で逃れるのは難しい。
知性というドラッグは依存することを正当化させるだけの威力と歴史がある。
質が悪いのはその毒性が多くの人々に影響を及ぼし、内面へと滑り込んで棲みついてしまうことだ。同じような興味、同じような美意識を持った者たちが寄り集まって、
根拠らしいものを並べて楽しんでいる。
私はそのような営みから距離を置きたい。
それには他人からの軽蔑や差別と闘っていくことになる。
だが闘わずに済む方法を私は見つけ出した。
これについては言語化は出来ないので語るつもりはない。
皆、何かから影響を受けることに対して無防備である。
影響を受けた自分を「本当の自分、制御している自分、冷静で正しい自分」
と信じて疑わないのだ。
何かを知ったつもりになるまで努力している人たちを沢山知っている。
それが人間として素直な生き方だとも思っている。
私は素直な営みから外れた人間だと思う。幼少期からそうだったと断言できる。
そうなりたくてなったわけではないし、そうあることが正しいとも思わない。
ただ私にはそのように見えるというだけだ。
私の生き方は間違っている。間違ったままどう生きるのかを探している。